セゾン デュポンにみる現代のセゾンの在り方

 8月17日、お盆休み明けの火曜日、休肝日を経て今日は何飲もうかなぁとワクワクしているJimです。今年のお盆はコロナの感染者の増加により帰れず家で漫画を読み漁っていました。それと最近ビールの本を買いましてタイトルは『ビールのペアリングがよくわかる本』という書籍なのですが、こちらの本を先週あたりから読んでいます。

 この本の良いところは、ビアスタイル別に特徴と背景、食事とのペアリング効果、代表的な銘柄が見開き1ページ内にまとめられており非常にコンパクトかつ分かりやすいという点です。また構成をとってもこれがまたわかりやすくて、カラーで細かく記載されてあり大事な部分にはハイライトが入っている、というなんとも読みやすい本で大変満足しております。

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 そういうわけで私はこの本を読み進めていったわけですけれども、紹介されているビアスタイルが番外編を含めて12種あるのですが、読み進めていくにつれこれまでの私の飲酒遍歴に大変偏りがあること、その経験値の少なさからこの本を読んでも共感でない部分がまだ多く残っていることに気付きました。
 確かに私はペールエールが好きです。IPAもアンバーエールも、ブラウンエールもヴァイツェンも。好きだから選んじゃうことはあります。でも選んじゃう理由は他にもあるんじゃないかとそう思ったわけです。
 つまり、ベルジャンダブルやバーレーワインを飲んだとして味の理由がわからず、別のものを飲んでみようという意欲がわかない。あとは、例えば”ベルギービール”はなんとなくアルコール度数が高くて変わった香りがする、といった国別のカテゴリーをしてしまっているところがありました。アメリカだっていろんなビールがあるわけですから、国でまとめられるわけがないのにですね。

 というわけで、これから当書籍に記載された代表的な銘柄をお店で見つけたさいには買ってその味わいを確認し、書籍の記載内容とすり合わせ、もとい答え合わせを行おうと思い至った次第なのです。
 まずはセゾンデュポンというビールを見つけましたので飲んでみました。セゾンというスタイルについて私が勝手に抱いていた印象とそれに対する書籍内の記載、それから現代のセゾンをどのように定義されているか、個人的な見解多めですけど書いていこうと思います。

セゾンデュポンの話

 セゾン、と聞いてどんなビールを想像しますか?
 例えば、ヤッホーブルーイングの僕ビール君ビールはコンビニでも見かけるのでご存じなんじゃないかなと思います。
 私が最近飲んでおいしかったセゾンは Oxbow のLostLandsです。 私の思い浮かべるセゾンのイメージは、初夏の農作業で飲むわけですから水のようにさらりとして度数は低くアルコールを感じさせない、かついろいろな香料や添加物で香りをつけるなどして華やかにまとまった飲み物という理解をしていました。

 それで今回ベルジャンスタイル?のセゾンという意気込みだったんですが、これが前述の2種とは明らかに異なっていました。小麦やコリアンダーなどの香料は使用せず不思議な香りとはっきりとわかるアルコール感、こんなの昼の農作業中に飲んだら酔っぱらってしまいそうです。明らかに違う点はフレッシュさですかね。前述の二つはフレッシュな味わいなのに対して、デュポンは落ち着きすぎています。笑
 訳が分からなくなってしまったのでいったんスタイルの定義から確認しようと思います。

 そもそもセゾンの定義は何か、いろいろ読んでみると意外なことにどのサイトにも下記のような文言が記載されていました。あるサイトから引用しますと、
引用:”最近ではさまざまなタイムのビールがセゾンという名を冠して造られており、特に決まりがあるわけではありません。”
出典:https://www.jbja.jp/archives/327

 なんということでしょう。セゾンとは、各ブルワリーの解釈によっていろんな味や香りを決めているようです。

 さらに言及すると、なんとセゾンデュポンは伝統的なセゾンスタイルで作り続けている、というではありませんか。
 製造過程を確認してみると、農作業が忙しくない冬場に仕込んで夏場に農作業時に飲むことを目的にしていた、つまり、冬から夏まで腐らせないように防腐剤代わりにいろいろなものを入れて貯蔵していて、そして貯蔵機関が伸びることでアルコール度数も次第に高くなる、、、という、もうそもそも現在のセゾンとは作り方からして違うんじゃないか、と思えます。

デュポン単体での評価は、飲み口はすっきりしていておいしいですが、度数はきちんと感じるという不思議な飲み物でした。(ベルギーのビール感はしっかりあります笑)

いざ、ペアリング実食!!

 当書籍内にてセゾンと相性のいい食べ物として、豚肉の加工品、また意外なんですがスパイスのきいたエスニック料理とも相性が良いと書かれてありました。日本の料理との相性で言えば、苦みのあるふきのとうやサンマ、川魚(内臓を食べると記載があるので、塩焼きをイメージしています)が良いとのこと。これはめっちゃ意外でした。自分一人でペアリングを楽しもうとしていたら絶対に食べ合わせしようと思わない組み合わせです。

 残念ながら家にサンマはありません。エスニックというのもどうもイメージがつかず、豚肉加工品代表でウインナーを焼いて食べ合わせることにしました。
結論、ペアリングって難しいですね。そのまま飲んでた時の方がより味を正確にとらえることができていたように感じてしまいます。ウィンナーの油や塩味が強烈なのもあります。ですがその分アルコール感は抑えられて飲みやすく感じました。

 ペアリング実施での評価は、口の中に広がるうまみを飲み込んで次いでビールを一口、二口、これは案外イケるかも、と思います。ウィンナーにトマトケチャップをつけてもいいかも。ここらへんの最終的な善し悪しのジャッジは結局のところ主観になりますね。笑

最後に

 セゾンについていろいろ書いてきましたが、ここで最後に一つ、セゾンというスタイルは元来”季節的な”飲み物という意味が含まれていました。
(つまりシーズナルビール・季節限定ということです。)ただ現在は一年を通してこのスタイルは製造できるようになりました。
このことからスタイル表記としては”ファームハウスエール”とも言うらしいです。

 ファームハウスエールと書かれていてもおいしそうですが、”セゾン”という言葉の特別感というのはビールの名前を付けるうえですごく都合がいいと思いますし、つい手に取りたくなる名前なので改めて定義しなおすなどしてスタイルを確立して、言葉自体はなくならないでほしいなぁと思ってたりします。

次回、第二弾はベルジャンダブルについて書いていきたいと思います。これもとてもおいしかったし勉強になったので取りまとめて書いていきます!
それでは以上になります。

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